ストレス性の症状・疾患
「ストレス反応」
大きなストレスをいちどきに受けたり、日常の細々としたストレスでも長期にわたってさらされたりすると、その影響が体の症状や精神的な症状となって現れることがあります。
ストレスに関連して起こる代表的な症状・疾患
身体的な症状・疾患
- 睡眠の問題
(寝つきが悪い、眠りが浅い、嫌な夢を見るなど)→不眠症・睡眠障害 - 緊張性頭痛・片頭痛
- めまい
- 口の中の違和感や痛み
(舌痛症・口腔異常感症) - 喉のつかえる感じや飲み込みづらさなどの違和感*(詳細は後述)、吐き気や嘔吐、息が詰まるような苦しさ、長引く咳
(食道神経症・気管支喘息) - 動悸、胸の苦しさ、胸痛
(不整脈・狭心痛など) - みぞおちや胃のあたりの違和感、苦しさ、痛み
(神経性胃炎・十二指腸炎や潰瘍) - 便秘や下痢
(便秘症・下痢症・過敏性腸症候群) - トイレが近くなる
(過敏性膀胱) - 痛みやしびれの問題
(慢性疼痛) - 皮膚の問題
(アトピー性皮膚炎・じんましん・円形脱毛症など)
精神的な症状
不安、恐怖、抑うつ感など
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明らかなストレス要因があって精神面や行動面に加えて上記のような身体症状のいくつかが現れる場合は「適応障害」と診断され、治療やカウンセリングが必要となることがあります。
また経過の中で様々な身体症状が見られるときや、症状に対する不安が強いときには、「身体表現性障害」や「心気症」と診断されることがあります。
治療
精神療法とお薬による治療を行います。
不安を和らげるお薬のほか、症状や体質に応じた漢方薬が有効なことがあります。
*喉のつかえるような感じ、閉塞感について
「喉が締め付けられているような感覚」や苦しさ、喉から前胸部にかけての違和感として表現される方もおられます。何かが詰まっているように感じるために痰が絡んでいるのかと思われたり、咳が続くような症状として現れることもあります。
これらはいずれもストレス性の症状としてよくみられるもので、「ストレス球」や「ストレスボール」と呼ばれています。
また東洋医学的には「梅核気(ばいかくき=梅の種が喉に引っかかったような状態を指す)」や「咽中炙臠(いんちゅうしゃれん=焼いた肉が喉に詰まっているような感じ)」とも表現されます。
古今東西どの表現も、ボールや梅の種など何かが「引っかかってとれない」苦しさやもどかしさに満ちていますね。それほど古来から多くの人々がこの症状に悩まされてきた証と言えます。
この閉塞感はさまざまなストレス性の疾患に伴うことのある症状ですが、症状が目立つときや症状に対する不安が強い場合には「食道神経症」のほか「咽喉頭食道異常感症」「咽喉頭神経症」などと診断されることもあります。
日常生活でもストレスフルな出来事があると「気づまり」な状態になるものですが、東洋医学的にはまさにこの「気」が詰まった状態ととらえます。<半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)はこのような喉のつかえ感に対して試す価値のある処方です。
実は市販薬としても「ストレスからくる症状に」と謳って別名で販売されていますが、喉のつかえ感が出現しているということは、そういったストレス性の症状が現れるに至った状況や他の身体疾患が隠れている可能性も考慮した対応が必要となることもあります。
まずは医療機関での診察をお受けになることをお勧めします。