パニック症(パニック障害)
パニック症(パニック障害)とは
パニック症は、不安症(不安障害)のひとつで、突然起こる強い不安や身体症状を特徴とする病気です。
代表的な症状である「パニック発作」では、
- 動悸
- 息苦しさ
- 胸の圧迫感
- めまい
- 発汗
- 手足の震え
などが突然現れます。
発作の最中には、
「このまま倒れてしまうのではないか」
「心臓の病気ではないか」
「死んでしまうのではないか」
と感じるほど強い恐怖を伴うこともあります。
しかし、パニック発作そのものは通常10~20分程度でピークとなり、多くの場合は30分から1時間以内に自然におさまります。
発作が起こりやすい場面
パニック発作はさまざまな状況で起こりますが、
- 電車や飛行機
- エレベーター
- トンネル
- 映画館
- 人混み
- 高速道路
など、
「すぐにその場から離れられない」
「体調が悪くなったときに助けを求めにくい」
と感じる場所で起こりやすい傾向があります。
パニック症の3つの特徴
パニック症では、単に発作が起こるだけではありません。
次のような症状が連鎖的に生じることが特徴です。
① パニック発作
突然起こる強い不安や身体症状であり、パニック症の中心となる症状です。
② 予期不安
発作を経験すると、
「また発作が起きるのではないか」
という不安が続くことがあります。
これを予期不安と呼びます。
③ 広場恐怖
予期不安が強くなると、
「発作が起きそうな場所」
を避けるようになります。
例えば、
- 電車に乗れない
- 人混みに行けない
- 一人で外出できない
など、行動範囲が狭くなってしまうことがあります。
このような状態を広場恐怖と呼びます。
なお、「広場恐怖」という名前から広い場所が怖い病気と思われがちですが、必ずしもそうではありません。
もともとの英語 Agoraphobia は、古代ギリシャの市場や人が集まる広場を意味する Agora に由来しています。
そのため実際には、
「逃げ出しにくい場所や、体調が悪くなったときに助けを求めにくい場所への不安」
を指しており、広い場所そのものが怖い病気という意味ではありません。
治療
治療には薬物療法と精神療法があります。
薬物療法では、不安や身体症状を和らげる抗不安薬を使用することがあります。また、パニック症の背景にある脳内の神経伝達物質のバランスを整えるため、一部の抗うつ薬が有効であることが知られています。
精神療法では、不安との付き合い方や発作への対処法を身につけていきます。
また、回復段階に応じて認知行動療法を取り入れることもあります。
パニック症では、発作を恐れるあまり苦手な場所を避け続けると、かえって予期不安が強くなり、症状が長引くことがあります。
そのため、
「少しずつ苦手な場面に慣れていく」
という段階的な練習を行うことがあります。
無理のない範囲で成功体験を積み重ねることで、不安の悪循環を断ち切り、自信を取り戻していきます。
当院では、薬物療法と精神療法を中心に、必要に応じて認知行動療法も取り入れながら、症状の改善と再発予防を目指します。
