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適応障害

 

適応障害とは

その方を取り囲む環境(生活のうえで置かれている状況や変化)や遭遇する出来事がストレス要因となって様々なストレス反応としての症状が引き起こされ、結果として日常生活や社会生活の機能が著しく障害されている状態です。

 

症状

現れる症状は様々ですが、大きくは精神面の症状行動面での症状に分けられます。またストレス性の様々な自律神経症状(頭痛やめまい、動悸、腹痛など)を伴うこともあります。睡眠の問題もよくみられる症状です。
精神面の症状としては、憂うつな気分や不安感が強くなったり、神経が過敏になってイライラしたり逆に涙もろくなったりするようなことがあります。
行動の上では無断欠席や欠勤、物や人にあたるような言動、飲酒量や買い物が増えるなど不安を紛らわそうとする行為がみられることがあります。

ここで問題となる「ストレス要因」は、個人的な事柄から災害など地域社会全体を巻き込むような出来事まで様々です。

 

ストレス要因にさらされたときの
正常範囲内の変化と適応障害の違い

「適応」の「障害」という病名であることから、自分の適応能力に問題があるのではないか、適応しようと頑張っているはずなのにできないのは「適応能力の障害」だからではないか、などと感じる方がおられるかもしれませんが、あくまでも障害されているのは生活機能です。

何かしら環境の変化や出来事が起これば、良きにつけ悪しきにつけ、また多かれ少なかれ気分や行動の変化につながるものです。例えば試験に合格すれば気持ちが晴れ晴れとし、前から欲しかったものを思い切って購入するような行動につながり、逆に不合格となれば気持ちは沈み、涙が出たり反対にいら立つこともあったり、しばらくは眠れない日々が続き、やけになって普段はしないような行動で気を晴らそうとしてみたり……と、環境面での変化が気分や行動に結びつくのはよくあることです。
それでもその変化が一時であったり日常生活を大きく損なうものでなければ、適応障害にまでは至りません

原因となっている環境変化や出来事変化がご本人にとって重大で、普段の生活が送れないほど抑うつ気分が強まったり不安にさいなまれたりと明らかに正常の範囲を超えている状態、言わば変化への適応を強いられる過程で心身のSOSとしての不調が現れ、日常生活や社会生活の機能が障害されているのが適応障害です。

 

経過

ストレス要因となる状況や出来事が明らかであるため、原因が取り除かれれば症状は次第に改善します。現在抱えている問題について、援助者と共に問題点を整理して解決方法を見出していくことも治療の一環です。
しかし職場や家庭の持続的な状況のようにストレス因からどうしても離れられなかったり、取り除けなかったりする状況では症状が慢性化することもあります。
そういった場合は同じ状況にあってもストレス要因の受け止め方を変える、気分転換を図ってやりすごすなど、ストレスフルな状況に適応する力「対処する力」を育てていくことも治療のうえで必要となります。このため、患者さんご自身が治療に主体的に取り組むことが大切です。

 

治療

抑うつ状態や不安、不眠などの症状に対してはお薬による治療を行うこともあります。その時に現れている症状それぞれに効果を発揮する薬物を選択することが一般的です。
しかし上述のように、お薬で症状を和らげてもストレス要因そのものが取り除かれない限り症状が持続したり時に悪化することもあるため、根本的な環境調整や対処法について一緒に考える精神療法やカウンセリングが重要となります。

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