手紙 ~拝啓 十五の君へ
手紙 ~拝啓 十五の君へ
アンジェラ・アキさんの楽曲です。有名な曲(のはず)なのでご存知の方も多いかと思います。
このところ、思春期のお子さんの心身の悩みや症状についてご相談をお受けする機会が増えてきました。
中学生・高校生とは言えまだあどけなさが抜けないお子さん(当クリニックへ来院されるのはお嬢様方が多いのですが)と診察室で話していると、この歌が思い出されます。
手紙 ~拝啓 十五の君へ(正規コンテンツのため冒頭のみ視聴できるリンク)
これがNHK合唱コンクールの課題曲になっていた年に、TVでコンクールの様子が放映されていたのをたまたま目にしていたのです。
その時はちらっと聴いて(課題曲のため全出場校が歌っていたこともあって、何校かのステージを放送している間は何となくTVをつけていたのですが、最後までは見届けずに消してしまったように思います)、ああいい曲だなと印象には残っていたのですが、最近になり改めて心に沁みる歌だなと感じます。
アンジェラ・アキさんの弾き語りも素晴らしいのですが、某所で見ることができた当時のNコンの全員合唱が圧巻!!
優勝、入賞校の発表が終わって最後にステージ上の生徒たちと客席の全員がこの曲を歌い上げる様子は、思い出すだけでジーンときます。
自分はいったい15歳の時に何をしていただろう、歌詞にあるような「荒れた青春の海」にいただろうか、いや、そんなことはなく結構能天気に過ごしていたような気がする……今はむしろこの曲の2番にある拝復「大人の僕」を生きている我が身ですが、ウン十年前を振り返りながらホームページ上のコンテンツに「思春期のこどもたち」を追加しました。
思春期のこどもたちが様々な状況で負けまいと頑張ったにもかかわらず、ついに疲れてしまってクリニックを訪れるのを出迎える側の医師としては、この曲の歌詞にあるような「負けないで」「泣かないで」といった言葉をかけることはまずありません。
コンテンツ「思春期のこどもたち」でも少し触れましたが、思春期は「自分の声を信じ歩けばいい」の「自分」を築き上げている渦中なのですから、悩んで苦しんで当たり前。
何を信じて歩けばいいのかわからないから困ってしまうのですよね。
それでもこのアンジェラ・アキさんの力強い歌声、Nコンの全員合唱がNHKホールを大きなうねりのように揺らす様は、こどもたちにとって回復と言える過程のどこか、自分が思春期だった頃を忘れている、大人になってから苦しさを抱えているひとたち、それぞれのタイミングで心に響くのではないかと思います。