パニック症(パニック障害)
パニック症(パニック障害)とは
「不安症(不安障害)」のひとつで、不安を伴う症状のなかでも「パニック発作」が主となる病気です。
突然、動悸や息苦しさ、極度の不安感を伴う「パニック発作」が起こります。
パニック発作が起こりやすい状況
- 電車や飛行機、エレベーターといった閉鎖空間、いざというとき逃げ場がないような場所
- 映画館、トンネルなどの暗い場所
- 人混み
など、不安や緊張をかきたてられやすい状況で起こることが多いです。
パニック発作とその他の症状
発作自体は10分程度でピークとなり、長くても30分~1時間以内におさまることがほとんどです。しかし発作を繰り返すうちに、「このまま死んでしまうのではないか」とまで感じるような不安感が強まります。
このパニック発作に加えて、「また発作が起こるのではないか」と予期する不安も生じ(予期不安)、発作が起こりそうな場所やシチュエーションに不安を感じて避けるようになります(広場恐怖)。
① パニック発作
→ パニック障害の主な症状
② 予期不安
③ 広場恐怖
→ パニック発作に引き続いて起こる二次的な症状
これら3つがパニック障害の三大症状といえます。
治療
不安や動悸、息苦しさなどの身体症状が現れたときにだけ頓服として不安を和らげる薬を服用するという方法もあります。
ただ、周囲の状況に過敏に反応して不安を感じやすくなっている背景には、脳内の「神経伝達物質(神経伝達を司る物質)」がアンバランスになっていることが多いため、そのバランスを改善する薬(1日1-2回、ある程度の期間に渡って服用するもの)が必要となることがあります。
薬物治療と並行して、呼吸法や自律訓練法などのリラクゼーション法を取り入れることもあります。
なお、発作が起こった経験のある電車や人混みなどの場面を回避し続けることで、よけいにそういった場所に近づくことに対しての予期不安が強まることがあります。こうなるとさらに悪循環にはまり、症状が改善しづらくなります。
このため「あえて苦手な場面を段階的に経験していく」練習をお勧めすることがあります。
認知行動療法のひとつとしてそういった練習に取り組みながら、「発作を起こさずにその場面を乗り越えた」という経験を積んでいきます。
そうすることで、特定の場面でパターン化されたように出現する不安のスイッチを、ひとつひとつ外していきます。
精神療法、薬物治療を中心に、回復段階に応じて上述のような認知行動療法も併用し、早期の改善と再発予防を目指します。