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保健だより

[2019.05.21]
校医を務める大学の保健だよりに、下記の文章を寄せました:
 
 
このGWは、気を張って過ごした新生活から一転、ほっとひと息つけたのではないかと思います。
ただし長い休暇は、旅行などが疲労を招く、食事や睡眠などの生活リズムが乱れる、といったきっかけにもなるため要注意です。また、身体の様々な機能をコントロールしている自律神経系が、それまでの緊張状態から一気にリラックスモードに入り、かえって不調を来すこともあります。
連休明け、授業にサークル活動にアルバイトに、以前と変わりなく生活を送れていますか?
だるさが抜けない、朝起きられないといった何かしらの症状は、心や身体からのSOSサイン(ストレス反応)のこともあります。健康管理はあなた自身を大切にする第一歩。気になることがあれば見逃さないようにキャッチして、気軽に相談してくださいね。
 
 
ちょうどGW明け発刊の保健だよりへの掲載予定ということで、このような内容となりました。
 
 
学生さんでなくとも、新社会人の方、転職や異動後の慣れない環境でのお仕事など、新年度は何かと気を張って過ごす時期ですね。
この4月末や5月に入ってから心身の不調が出現し、当院を受診された方々がおられた一方で、新年度もしくはGW明けの復職を目指して準備を重ね、仕事に復帰された方々もいらっしゃいました。
 
 

別途「お知らせ」でもご案内しましたが、ホームページ内に「休職・復職について」という項目を追加しました。

 

 復職に限らず、「復」学、病気からの回「復」など、「復す」ことを示す語はたくさんありますね。
「復す」とは、元の状態に戻ることを意味しています。

 

患者さんの持つ回復のイメージには、「元の元気な自分に戻りたい」「元通りバリバリ仕事ができるようになりたい」というものがあるかもしれません。
ただ、そのようなイメージを持つ反面、「元に戻れるだろうか?」「今の自分があの頃のようになれるだろうか??」と不安もよぎるでしょう。

以前は元気だったのに…がむしゃらにやれていたのに…そんな当時を振り返ってみて、何か不調の要因や心身のサインに思い当たることはあるでしょうか?

 

学業や仕事から離れて過ごす時間は、心身を休め過去の自分を振り返る助けとなります。また、これまでのストレス対処や対人関係上のパターンがストレス反応に関わっていたような場合、スキル獲得やパターンの見直しを行うこともできます。

 

V字回復でもUターンでもなく、地図を広げ、あちこち寄り道したり買い物したりしながらゆっくり目的地へ向かうような「回復」。
調子を崩す一歩手前の状態に「復す」のではなく、療養期間中に少しずつ新たな気づきや学びを得て、再び調子を崩さないような支えをしっかり作ったうえで元の学校や職場へ戻っていける、もしくは新たな社会活動の場を見つけていく。
そのような変化を患者さんご自身と一緒に目指せたらいいなと考えています。

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