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夏バテ

[2018.08.27]

まだまだうだるような暑さが続いていますが、もう8月の最終週。
小学生は夏休みの宿題のラストスパート??かと思いきや、最近は9月を待たずに2学期が始まる小学校が多いようですね。

自分が小学生の頃は、夏休み明けといえば9月1日。
8月29日、30日、31日……のカウントダウンにつれて、長いようで短かった夏休みも終わりなのだなあという寂しい気持ちになり、始業に向けて学用品の支度をしたものでした。

始業当日は防災の日ということで、防災訓練、保護者が迎えに来る「引き取り訓練」もありました。
綿の入った黄色の防災頭巾を被って校庭に整列するのが常でしたが、そう暑さを感じることもなく、熱中症で倒れる児童もいなかったように思います。
夏休みの始まる7月下旬も比較的涼しい日が多く、学校のプール開放の条件となる気温・水温に達しないとプールに入れず、もっと暑くなって欲しいと願ったことも思い出します。
そんな気候と比べると、ここ数十年でどれだけ気温が高くなっているのでしょうか。

 

さて、この残暑のなか、いよいよ夏バテしている方もいらっしゃるかと思います。

夏バテといえば「だるい」「食欲がわかない」といった症状が代表的です。

連日のように暑熱環境にさらされていると、体は自律神経系をフル稼働させて体温を下げなくてはなりません。一方で、冷房が利いた屋内ではかえって体が冷えてしまいます。
また、熱帯夜が続き十分な睡眠がとれないことも自律神経系を疲弊させます。
そうすると、自律神経系によって支えられている消化機能が低下してきます。
食べ物の停滞、消化液の分泌バランスの乱れによる胃もたれや胃痛、腸管蠕動の乱れにより便秘や腹部膨満感、消化不良による下痢などの消化器症状が現れてきます。

暑い時期にはついつい冷たい飲み物を飲んだり口当たりのいい冷たい麺類ばかり食べたりと、冷飲食しがちになりますが、それも消化機能の低下につながります。

 

インドなど熱帯の国では、暑いときこそ熱い紅茶を飲むそうです。

発汗により体温を下げる助けにもなりますし、体をなかから冷やさないことで自律神経系の働きを損なわず、人間に備わっている体温調節機能を維持してくれます。
加えて、紅茶は体を温める性質の飲み物です。「熱い」紅茶だから身体を温めるというのはもちろんなのですが、薬膳の考えにあるような飲食物自体の「温」「寒」の性質で言っても、発酵茶である紅茶は「温」の作用を持ちます。

逆にコーヒーは体を冷やす働きがあります。これはたとえホットコーヒーであっても、飲食物の性質としては体を「冷やす」方向に働くということです。
東洋医学、薬膳的な考え方では冷え性の方はコーヒーや緑茶よりは紅茶、中年期以降に生命エネルギー(東洋医学の考え方で言うところの「腎」)が冷えてしぼむ方向にある方も冷飲食や体を冷やす性質の食物は控えた方がよいとされています。

インドの紅茶といえば、スパイスの効いた「チャイ」ですよね。
シナモン、ジンジャーなど体を温めるスパイスがたっぷり入ったチャイは体を温め、ほどよい発汗を促し、外気温でほてった体を冷ましてくれるでしょう。
一方で、屋外から冷房の効いた屋内に入り一日中過ごすにあたっても体を温めてくれます。

冬場の飲み物の印象が強いチャイですが、夏にもお勧めです!

ちなみに夏バテの漢方薬としては

― 清暑益気湯(せいしょえっきとう)

が代表的です。
これは、消化機能を高めエネルギー不足の体に「気」を補う「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」の夏バージョン処方です。
暑さで弱った消化機能を助け、発汗などで夏に喪失しやすいエネルギーを補ってくれる生薬が加わっています。

補中益気湯、清暑益気湯ともに漢方の「ユ〇ケル」のような存在と言えますね。

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